2025年4月24日、英国首相キール・スターマーとEU欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンはロンドンで会談しました。英国は5年前にEUを離脱しましたが、米国大統領トランプの「アメリカ第一」政策が背景にあり、英国とEUの指導者たちは週一（5/19）にロンドンでサミットを開催し、軍事安全を強化するための重要な防衛と安全に関する合意を発表する予定です。さらに、食品貿易やエネルギー協力の分野でも共同作業を進める可能性があります。米国がヨーロッパに対する約束を減少させる一方で、偶然にも英国とEUの和解を促進しました。これにより「新しい協力の時代」が幕を開けます。

アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』によると、トランプは大統領に就任して半年も経たないうちに多数の欧州諸国を怒らせることとなりました。彼はグリーンランドの併合をほのめかし、ロシアとの関係がより親密となり、ロシアとの交渉に欧州国を参加させませんでした。また、彼は世界に貿易戦争を仕掛け、EUを「中国よりもひどい」と呼ぶなど、さまざまな発言によって大西洋を跨ぐ信頼関係を傷つけました。

今回のサミットの目的は、地政学的緊張の中で、両者の協力の約束を強調し、米国の徐々なる撤退の状況について議論することです。EU外交政策担当の高級代表カヤ・カラス（Kaja Kallas）は「この動揺の時期に、パートナーシップが非常に重要です」と述べています。英国の国防大臣ジョン・ヒーリー（John Healey）も、ヨーロッパが直面する安全保障の課題に対しては協力が必要であると述べています。施ケイル首相（Keir Starmer）は「不確実性と動揺に満ちた時期に、英国は孤立することなく、世界の舞台で誇りを持って一役を果たす」と述べています。

さらに、EUの大使たちはサミット前の週末（5/18）に、防衛と安全に関する合意の最終調整を行いました。その際、英国はEUの軍事任務に参加する可能性があるものの、EUが現在設立中の1500億ユーロ（約5兆円）の国防基金にいかに参加するかが大きな課題となっています。フランスなどの国々は、英国の関与に制限を設けたいと考えています。サミットでは経済協力も重要なテーマとして議論され、英国は食品や動物関連の貿易規制の軽減または撤廃を求めており、その中で英国の権利は制限されている可能性があります。ロンドンのキングス・カレッジの欧州政治教授アナンド・メノン（Anand Menon）は、「英国が欧州の計画に参加することは欧州の安全に重要ですが、経済的な観点からはゲームを変えることはないと考えています」と指摘しています。