フィリピン2025年中間選挙：民主主義が家族政治に侵食される時
2025年のフィリピン中間選挙は、完全に権力闘争に変わり、ドゥテルテ家とマルコス家の世襲の饗宴となっている。選挙の本質はもはや公共政策の論争ではなく、血統と金権による全方位の対決に変わっていく。民主主義制度は大きな挑戦に直面している。
ドゥテルテ家は選挙において強い影響力を持ち、前大統領ロドリゴ・ドゥテルテは国際刑事裁判所からの逮捕状が出されたにもかかわらず、ダバオ市市長に高得票で再当選した。また、子供たちも政界での影響力を拡大している。しかし、マルコス家は内部闘争に直面しており、フェルディナンド・マルコス大統領が支持する候補者は上院の主導権を握れず、家族政治の脆弱性が露呈している。
この中間選挙は、単なる権力の博奕にとどまらず、フィリピンの民主主義制度が家族寡頭によって支配される実情を暴露する無情な鏡にもなっている。公共の利益や政策の議論が脇に追いやられる中、国民の投票が本当に民主主義の価値を反映できるかが、今後の重要なテーマとなる。
