ムーディーズが米国の信用格付けを引き下げ モルガン・スタンレーは底打ちチャンスと発言
ムーディーズ（Moody's）が米国の主権信用格付けをAAAからAa1に引き下げ、世界市場に波紋を広げています。米国株の先物は一時大幅に下落しましたが、モルガン・スタンレー（Morgan Stanley）のストラテジストであるウィルソン（Michael Wilson）は、これが「千載一遇の底打ちチャンス」であると述べています。
ウィルソンは、ムーディーズの格下げにより米国の10年物国債利回りが4.5％を突破したものの、米中貿易戦争の休戦と中国が米国債を大量に売却しなくなったことで、市場の米国株の衰退に対する懸念が明らかに低下していると指摘しました。彼は、企業の決算書が良好で貿易協定の好材料により、市場は引き続き反発すると強調しています。
実際、2023年にフィッチ（Fitch）およびスタンダード・アンド・プアーズ（S&P）が相次いで米国の格付けを下げた後、ムーディーズが最後に格下げを行った機関となりました。このニュースを受け、S&P 500先物は1.2％下落し、ダウ平均も同様に下落しました。ただし、モルガン・スタンレーとゴールドマンサックス（Goldman Sachs）は共に米国株に対して楽観的な見方を示しており、テクノロジー株が市場の反発を主導すると期待しています。
ゴールドマンサックスのストラテジストであるコスティン（David Kostin）は、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの7つの主要株は、最近の動向が弱かったにもかかわらず、利益が期待を上回っているため、再び市場を上回ると予想しています。ウィルソンは、最近の米国株の決算シーズンが終了し、企業の売上が概ね基準を超え、関税の不確実性が予想より利益に影響を及ぼさなかったことで、市場に自信が注入されていると付け加えました。今後の貿易データが若干弱くても、市場の雰囲気は楽観的であり、買いの流れがいつでも発生すると楽観的に見ています。
