トランプ減税予算案が下院での通過を目指す中、米株が下落
アメリカ合衆国下院手続き委員会は5月21日にトランプの減税予算案を審査しました。アメリカ共和党は「大きくて美しい」予算案を下院で通過させるべく全力を尽くしていますが、この予算案がアメリカ連邦政府の赤字を悪化させる懸念から市場は不安定な動きが続いており、米国の債券と株式市場は水曜日に下落しました。
ダウ工業株30種平均は水曜日に360ポイント（0.84%）下落し、S&P 500指数は0.5%、ナスダック総合指数は0.34%それぞれ下落しました。米国の10年期公債利回りは4.53%に上昇し、30年期公債利回りは再び5%以上に達し、ムーディーズが米国の信用格付けを引き下げた後の高水準に戻っています。債券利回りの上昇は価格の下落を示しています。
アメリカ下院のペロシ議長は、共和党内で合意が得られたことを述べ、トランプの予算案を通過させるべく努めていることを明らかにしました。この予算案は以前、共和党内の財政タカ派から強く反対されていたため、進捗が停滞した経緯があります。アメリカ議会予算局（CBO）の最新の研究によると、この予算案はアメリカの現在の36兆ドルの国債負担を、今後10年間で3.8兆ドル増加させる見込みです。さらに、この予算案は医療助成プログラム（Medicaid）や食料配給券などの社会補助政策を1兆ドル削減し、貧困層が享受する政府資源を減少させる結果を招くこととなります。一方、富裕層は減税の恩恵を受けることになります。
トランプはこの予算案を自らの重要な成果と捉え、国会での迅速な通過を求めています。
