アメリカ経済は停滞的なインフレと潜在的な不況に直面している4つの予測
アポログローバルマネジメントの首席エコノミスト、トルステン・スロック氏は、アメリカが停滞的なインフレの重要な転換点にあると警告しています。この経済成長の鈍化と高いインフレの二重苦は、典型的な経済不況よりも解決が難しい状況となっています。
「ビジネスインサイダー」の報道によると、スロック氏は最新のホワイトペーパーで、トランプ大統領の関税政策が停滞的なインフレリスクの主な原因であると指摘しています。彼は、関税の引き上げが経済の鈍化の可能性を高め、物価を押し上げることを説明しています。
ウォール街は今年のアメリカ経済成長予測を下方修正しましたが、インフレ予測は上方修正されました。これは停滞的なインフレの典型的な特徴です。スロック氏は現在の環境でのアメリカ経済について4つの予測を行っています。
- GDPは半減:スロック氏は、2025年にはGDP成長が約1.2%に鈍化すると予測しています。2024年第3四半期のGDP年成長3.1%と比較して、経済成長は半分以上削減されます。
- インフレは平均を上回る水準を維持:アポロの予測によれば、年末までのインフレは約3%で推移する可能性があります。これは従来の2.4%の予測から「大幅に増加」したものです。
- 失業率は引き続き上昇:2026年までにアメリカの失業率は今後少なくとも18ヶ月の間、上昇を続けると見込まれています。アポロは、失業率が現在の4.2%から2025年には4.4%になると予測しており、2026年には5%以上に達する可能性があります。
- 経済は最短で今夏に不況に陥る可能性:アポロは、今後12ヶ月間に不況が起こる確率は25%と見積もっています。スロック氏は、トランプ氏の関税政策以前には今年の不況を全く予測していなかったと述べ、経済は最短で今夏に不況に陥る可能性があると語っています。
近年のウォール街では、多くのアナリストが今年の経済が不況を回避できると予想している中、スロック氏は停滞的なインフレと潜在的な不況のリスクについて警鐘を鳴らし続けています。
